あきた白神トピックス
女性部大会・家の光大会
JAあきた白神女性部(佐々木博子部長)は10日、同JA本店で第18回女性部大会・家の光大会を開き、家の光購読者や同部員、JA役職員ら150人が参加した。
JAへの運営参画と魅力ある活動で仲間づくりを進め、食と農を基軸とした活動を通じて地域を元気にすることが目的。
同部の佐々木部長は「コロナ禍の影響で活動が制限される日々が続いているが、その中でも出来る活動を積極的に行ってきた。これからも女性部員同士の絆を深め、更に新たな仲間も作って活動して行きましょう」とあいさつ。
佐藤謙悦組合長は「JAを取り巻く厳しい情勢の今、女性らしい視点と発想が求められており、その女性の声をJAの運営に反映させていくことが重要と考えている。今後もJA運営に積極的に参加頂き地域とJAを元気にしてもらいたい」と今後の活発な活動に期待を寄せた。
家の光記事活用体験発表では、昨年7月に県家の光大会に出場した同JA女性部二ツ井支部の石山淳子さんが「未来に繋ぐ私のノート」と題して、エンディングノートの必要性、記入し続けていることで充実した生活を送れていることなどを発表。
講演では、県家の光協会講師の安部美恵子さんが「老後の老後」と題して、老いたことに引け目を感じず、新たな仲間を作り新しい生き方を学ぶ時間に使ってもらいたいと話した。
会場には、家の光ハンドメイドの作品のほか、各支部が今年度取り組んだ活動の写真や、絵手紙サークルやクラフト同好会などの制作した作品が展示され、参加者らの目を楽しませた。

農業所得の増大を目指して農閑期に栽培技術研さん
JAあきた白神など主催の冬期野菜栽培講習会は8日、能代市で始まり、100人以上の農家や農業法人が参集し各種作物の生育状況や栽培管理、家族や第三者への経営承継などを学んだ。9日まで。
同講習会は農閑期を利用して農家の野菜栽培知識などのスキルアップを図り、同JAが推進する稲作一辺倒の体系から、安定した複合経営につなげ、農家所得の増大を目的に開催。
主催は、同JA、同JA青果物連絡協議会(畑山悦雄会長)、能代市農業技術センター。
同JA佐藤謙悦組合長は「野菜の栽培管理は大変だが、手を加えた分だけ、収穫間際の圃場は芸術作品のように美しく見えるもの。適切な栽培管理のもと一本でも一株でも多く収穫してもらい、農業所得の増大に繋げてもらいたい」とあいさつ。
種苗メーカーや各関係機関が講師を務め、このうち、㈱サカタのタネは、同JA管内において「白神ねぎ」生産者が多く使用している品種「夏扇パワー」の特性などについて説明。「近年の異常気象により夏場は連日猛暑日が続くようになった。高温期に土寄せ作業を行う際は、一度に過度の土寄せを行わず、曇りや夕方に、排水対策も含めて畝間がM字になるように行ってもらいたい」と呼びかけた。
参加者らは、改めて栽培管理のポイントなどを熱心にメモを取りながら聴講し、休憩時間には参加者同士で情報交換するなど技術の研さんに努めていた。
JA担当者は「毎年開催している講習会だが、近年、年齢層も新規就農者が増えたこともあり、若年層からベテランの生産者まで幅広くなってきた。生産者間での情報交換が出来るこのような場作りを今後も企画していきたい」と話す。

営農資材の注文サイト導入で成果
営農資材WEB注文システムを2020年に導入して肥料や農薬などの予約注文に対応し、同システムの利便性等が農家組合員に理解され、着実に普及してきている。
稼働初年度の同システムの利用状況は、9月から12月末に注文を受け付ける、次年度用営農資材の予約注文した約960経営体の35%に相当する約350経営体が同システムを利用していたが、稼働4年目を迎えた本年同期間に予約注文した約997経営体のうち、65%の約650経営体が同システムを利用。
同システムが着実に農家組合員に浸透しつつある。
同JA経済課の丑沢貴幸課長は「営農指導員と、地域農業の担い手に出向くJA担当者(愛称TAC=タック)と連携し、タブレット端末を携行して、農家組合員と対話しながら、操作説明するなどした結果が、普及拡大に繋がった。また、2022年度から管内3カ所の拠点に導入した、タッチパネル端末を使用した窓口での注文受付が、スマートフォンなどの扱いに不慣れな高齢農家組合員への普及拡大にも繋がった」と話す。
営農資材WEB注文システムによる注文を推進する背景には、管内の集落営農や法人化といった大規模化がある。農業者の所得増大には生産コストの低減が重要で営農部と経済部が連携し、仕入れ価格の引き下げも図る。
また、同システムで注文することで、予定当用価格から12%ほど値引きとなるほか、秋田県版農業経営管理支援システムに反映され、税務申告などでの労力が大幅に軽減される。
同JAでは、肥料価格が高騰対策の一環として、農業者の生産コスト低減に繋がるよう相談活動を強化するともに、同システムを幅広い年代層に普及させていくこととしている。

農業機械セルフメンテナンスの普及で生産コスト低減へ
農業機械課では、生産コストの低減で農業者の所得増大につなげることを目的に、同JA管内で「白神ねぎ」を栽培する農業法人のオペレーターら3人を受け入れ、ネギ収穫機のセルフメンテナンス研修を実施している。
同法人が所有するネギ収穫機を2台持ち込んだ、3人は同JA職員の指導を受けながら協力して、分解洗浄や各部作動点検・調整、グリスアップなど、パーツの一つ一つまで細心の注意を払いながら整備作業に当たっている。
農業機械課工藤誠治課長は「セルフメンテナンスを日常的に行うことで、大きな故障予防に繋がり、修理コストの低減、故障による作業時間ロスの低減、農業機械の長寿命化などの効果があり、生産費のコストダウンと手取りの最大化が十分期待できる」と生産者らによるセルフメンテナンスを普及させたいと意気込む。
研修に参加する同法人高橋洋介さん(44)は「春から降雪までフル稼働する収穫機。故障による収穫遅れは、「白神ねぎ」の品質を下げることになる。それが収入減にも繋がる。今回学んだことを活かしながら、来シーズンからは軽微な調整や部品交換などを自分たちで行い、コスト低減に繋げて行きたい」と話していた。

白神の春を告げる伝統野菜顔の収穫始まる
山うど部会(桜田和浩部会長)の部会員らが所有するビニールハウス内で「白神山うど」の収穫が始まった。
ビニールハウス内では、シャキシャキとした食感と、ほろ苦さが特徴の「白神山うど」が「一足早い春の香り」を漂わせながら、生産者らによる収穫作業がスタートした。
「白神山うど」は春から畑で株を育て、秋にハウスへ移植。土をかぶせる「伏せ込み」を行い、電熱線などで床土を温めて栽培する。
能代市二ツ井町で「白神山うど」を栽培する藤田清樹さん(50)は4棟のビニールハウスに昨年末「白神山うど」の株を順に伏せ込み、先に伏せ込みを終えたビニールハウス内では太く真っすぐ40センチ程の長さに育った「白神山うど」が収穫適期を迎えた。
藤田さんは「例年「白神山うど」を待ち望む消費者のために、床土内の温度管理を徹底しながら、いち早く春の味覚を届けたい」と収穫作業に励む。
同JA管内でも能代市二ツ井町を中心に収穫される「山ウド」は冬から春を中心に収穫され、昭和50年代に当時の二ツ井町農協が、冬場の出稼ぎ解消、冬場の収入源として転作作物の一つとして奨励したことをきっかけに栽培が盛んとなった。
同JAでは2007年に商標登録された「白神山うど」の名称で、北海道や関東首都圏の市場を中心に出荷され、各市場からも高評価を得ており、秋田県内でもトップクラスの生産規模を誇る。
同JAでは、2022年度の出荷量約88トン、6000万円の販売を計画している。
